ANAマイルで行く世界一周特典航空券を実際に予約してみた
先日、以下の記事で世界一周特典航空券の特徴やメリットについて書きました。
上記の記事で基本的な内容については書くことができたので、この記事では、私が世界一周特典航空券を取得するまでに実際にどのようなことを行ったかについて書いてみようと思います。
というのも、私が世界一周特典航空券を予約しようと考えたときにネットで情報収集を行ったのですが、役に立つ情報が少なく、結局ANAのコールセンタに何度も電話して色々教えて貰わなければなりませんでした。今回実際に世界一周特典航空券を予約するに際して、いろいろな情報を入手できたので、この記事にまとめておこうと思います。
はじめに:ルートを検討する
世界一周特典航空券を取得する際に、最も重要かつ最も楽しい作業は、どのようなルートで予約するか考えることだと思います。
まずはじめに、当然ですが自身が行きたい場所について洗い出す必要があります。これまで行きたいと思っていた場所はもちろんのこと、通常の往復航空券では時間やコストの関係で行くのが難しい場所(例えばアフリカや南米など)についても滞在先の候補としたいところです。私は以下のような国々を候補としてあげました。
- ウィーン(オペラを見に行きたい)
- エジプト(ピラミッドなどの巨大建造物が見たい)
- ドイツ(ブンデスリーガ観戦、また中世の城やきれいな町並みが見たい)
- イギリス(特にスコッチの蒸留所に行きたい)
- ニューヨーク(ニューヨーク市立図書館に行きたい)
- ボリビア・ペルー(ウユニ塩湖やインカ帝国の遺跡など)
- イースター島(モアイ)
- などなど
これらの国々を候補としつつ、世界一周特典航空券の条件に当てはまり、かつ保有マイルが不足しないようなルート設定を検討する必要があります。
この時点で私の保有ANAマイルは120,000マイル程度でした。旅行中に長距離フライトを多数こなすことを考慮すると、できれば体に優しいビジネスクラスで予約したいところです。となると、総飛行距離は最大でも20000マイル以内に収める必要がありました。*1
行きたい国々にできるだけ多く回りつつ、世界一周特典航空券の条件を満たし、かつ20000マイルに抑える。各航空会社の時刻表などを片手に手作業で検討するには、正直荷が重すぎます。
そこで、私がルート検討した際には、スターアライアンスが提供する以下の世界一周航空券の旅程検討用ツールを活用しました。
そもそも、スターアライアンスの世界一周航空券とは、購入可能な有償の航空券です。(エコノミークラスの最安値で約35万くらいです) 上記のサイトは、有償の世界一周航空券の購入者向けに、ルートの検討を支援してくれるものですが、マイルと引き換えに得られる世界一周特典航空券であっても、ほぼ同じように活用することができます。
上記のサイトにて、「新しい旅を始めます」というボタンをクリックすると、以下の画面になります。
こちらの画面で、都市名を入力するかマップ上で都市をクリックすることで、旅程を選択することができます。
旅程を設定し、滞在の順序などの並び替えを終えると、以下のように自動的にそのルートが世界一周航空券の条件を満たしているかを判定してくれます。
旅程に問題がなければ、上記のように「旅程のステータス」が完了となります。同時に、ストップオーバー数や総飛行距離のマイル数なども表示されていますね。これらの情報も世界一周特典航空券によるルート検討においては重要になります。
一方で、旅程に誤りがある場合は、上記のように「無効」と表示され、このルートでは世界一周航空券の発券ができないということがわかります。
ここで注意事項として、上記はあくまで有償の世界一周航空券の条件を満たしているかどうかを教えてくれるものです。マイルで取得できる世界一周特典航空券の場合、ストップオーバー数が8までであったり、ヨーロッパでのストップオーバー数が最大で3など、条件に若干の違いがあるため、サイト上でOKと表示されていてもこれらの条件を満たしているかどうかは自前でチェックする必要があります。
これらのツールを使いこなしつつ、この時点での私の計画ルートは以下の通りになりました。
東京→イスタンブール→ウィーン→フランクフルト→ニューヨーク→東京
ここまでの検討結果としてわかったことは、総飛行距離20000マイルではアフリカや南米に行くことはかなり困難ということです。イースター島はおろか、ボリビアやペルーについてもルートから外す必要がありました。もしこれらの国に行きたいということであれば、マイルをもっと貯める必要がありそうです。
ともあれ、まずは大まかなルートを決定することができました。
次に:予約の空き状況を確認する
私が取得しようとしているのは、あくまで世界一周「特典」航空券です。マイルで予約できる通常の特典航空券と同様に、空き状況はかなり厳しいものがあります。そこで、次のポイントは全ての旅程に空きがあるかどうか確認する作業となります。
マイルを貯めている方なら、マイルの特典航空券の予約のしづらさはご存知かと思います。ルートを決めたって、結局空席がなくて予約なんてできないと思われる方が多いと思います。
私も空きを探す作業には相当苦労しましたが、そこでわかったことは以下のとおりです。
- ANA便は短距離路線は比較的空きがあるが、長距離便はほぼ空きなし(特にビジネスクラス)
- ルフトハンザ航空も同様に長距離便の予約はかなり苦しい
- トルコ航空、中国国際航空、アシアナ航空、エジプト航空、スカンジナビア航空などは長距離便であってもかなり余裕があり、ビジネスクラスであってもほぼ確実に予約が取れる
- 東京⇔アメリカのフライトが最難関。直行便はANA・ユナイテッドいずれにせよビジネスではほぼとれない。迂回ルートを検討する必要がある
端的に言ってしまうと、ANAやルフトハンザ、ユナイテッドなどの著名航空会社の長距離便はかなり予約が取りにくいです。シンガポール航空も結構取りにくかった印象です。一方で、トルコ航空やアシアナ航空などはかなり予約が取れるので重宝すると思います。
これらの空き状況について、私は当初すべてANAのコールセンタに問合せて確認を行っていました。しかし、世界一周特典航空券ではたくさんフライトしますし、オペレータの方も調べるのに時間がかかってしまい非効率です。
オペレータの方に教えてもらったのですが、実は通常の特典航空券と世界一周特典航空券で予約できる席には(基本的には)差はありません。つまり、通常の特典航空券で予約しようが、世界一周特典航空券で予約しようが、空きがあればどちらでも予約できるし、空きがなければどちらでも予約は不可能です。
そこで、ANAのHPから通常通り特典航空券の空き状況をチェックすることで、コールセンタに電話せずとも空席状況をチェックすることができます。以下の絵の通り、特典予約の「複数都市・クラス混在」を指定することで、世界一周の全旅程の空き状況を一気にチェックすることができます。
私も、上記の検索を繰り返し行い、空き状況を十分に確認して最終的な旅程を決定しました。上述の通り、ANA便の長距離路線はほぼ空きがありませんでしたので、まずANAの近距離便で海外に脱出した後に、比較的予約が取りやすい航空会社にて長距離便を取得するという作成としました。
その結果、最終的なルートは以下の通りになりました。
東京→北京→イスタンブール→フランクフルト→ウィーン→ニューヨーク→ソウル→東京
ルートの変更内容としては、東京→イスタンブールの空きがほぼ無かったので、北京経由に変更したことと、フランクフルト→ニューヨークも同様に空きがなかったので、フランクフルトとウィーンの順番の入れ替え、またニューヨーク→東京についても直行便が無かったためソウル経由に変更したくらいです。
上記のように、一般的に空きが少ないと思われている特典航空券ですが、工夫すればかなり柔軟に予約が取れることがわかります。繰り返しですが、ポイントは近距離で国外脱出をして、ANA以外の航空会社で長距離フライトをすることです。トルコ航空などはその質と比較して特典航空券が取りやすいのでおすすめします。
余談ですが、上記の通り通常の特典航空券と世界一周特典航空券で予約できる席には差がないため、SFCになっていると、SFCの国際線優先予約特典により世界一周特典航空券の予約も有利になります。ただし、これはANA便のみ有効であることに留意が必要です。
最後に:世界一周特典航空券を予約する
ここまでくれば、あとは予約するだけです。事前に便の空き状況もチェックしてあるので、後は日にちが経って予約が埋まる前にANAのコールセンタに電話して世界一周特典航空券を申し込みたい旨と、その旅程(日にちと便名を伝えるのが手っ取り早いです)を告げれば良いだけです。オペレータの方が旅程をチェックして世界一周特典航空券の予約条件を満たしているか確認した後、空港税やサーチャージなどの経費の金額を教えてくれます。これらをカード決済し、座席の指定などを行えば晴れて世界一周特典航空券の予約完了です。
予約内容はANAのホームページにて確認することができます。
まとめ
私が世界一周特典航空券を予約する際に実際にとった行動についてこれまで記載してまいりました。印象として、ルート設定や空席の抑え方に少しコツはいるものの、そこまで難しいものではないので、もしマイルが余っている方いて、時間も十分にあるという場合には、マイルを世界一周特典航空券に変えてみるのも良いのではないかと思います。